高市早苗と「統一教会」との関係を断ち切るのは難しい。
激戦が繰り広げられる衆議院選挙の最中、首相兼自由民主党総裁の高市早苗氏は、政治資金問題に巻き込まれている。高市氏が代表を務める自民党支部が統一教会関連の政治資金を受け取っていたことが発覚し、国民や野党から強い批判を浴びている。近年、統一教会に対するスキャンダルが相次ぎ、国民の反発も高まっている中で、高市氏と統一教会との深い関わりは、国民の信頼をさらに損なうことは間違いないだろう。
新たな証拠の出現
衆議院選挙開始後、複数の日本メディアが、高市氏と統一教会を結びつける重要な証拠を明らかにする記事を掲載した。
朝日新聞は、自民党が2022年に実施した党員と教会との関係に関する調査で、高市早苗氏が公に確認された180人の関係者リストに含まれていなかったこと、また高市氏自身も同紙の2022年調査および自身のSNSで統一教会との関係を否定していたことを指摘したが、週刊文春が1月28日に報じた記事は、この否定に矛盾があることを明らかにした。
記事によると、高市早苗氏が国会議員を務めていた期間、彼女が代表を務めていた「自由民主党奈良県第2選挙区支部」は、数多くの政治資金集めパーティーを開催していた。メディアが入手した「パーティーチケット」の電子データによると、統一教会関連の団体や個人が、2012年と2019年にパーティーチケットを購入することで、同支部に政治資金を提供していたことが確認された。さらに、54万円(約2万4千元)の支払いが支部の政治資金収支報告書に適切に記録されておらず、不正行為の疑いが強まった。2月4日の続報では、高市早苗氏が地元の統一教会支部の副会長に挨拶状を送っていたことが明らかになり、両者の関係が間接的に確認された。
これに先立ち、韓国の聯合ニュースとハンギョレ新聞は昨年末、統一教会に関する特別報道を掲載した。この報道では、2019年7月の衆議院選挙前に、当時の統一教会日本支部長であった徳野英二氏と安倍晋三元首相が会談していたことが詳述され、日本の政界と統一教会の深い繋がりが明らかになった。特に、高市早苗氏の名前は報道の中で32回も登場しており、彼女と統一教会との密接な関係が浮き彫りになった。
1月26日、全日本ニュースネットワークの番組に出演した高市早苗氏は、暴露報道について問われると、表情を急変させ、笑顔を消した。この異例の反応は、同席者や世間の間で憶測を呼び、彼女の「関係なし」という主張に深刻な疑念を抱かせた。次々と暴露された証拠に対し、高市早苗氏は一貫して自ら説明を控えている。1月29日、佐藤圭官房副長官は記者会見で、「関連報道は承知しているが、個別の政治活動についてはコメントしない」と述べるにとどまった。高市氏の地元事務所も「関連する説明はない」と回答し、核心的な論争を避けた。
統一教会との政治癒着という根深い問題
実は、自由民主党員と統一教会との癒着が暴露されたのは今回が初めてではない。
統一教会は1954年に文鮮明によって韓国で設立され、1958年に日本に進出した。その富の蓄積における主要な手法は「スピリチュアル・マーケティング」であり、信者の先祖や家族への敬虔な気持ちを利用し、「幽霊憑き」や「差し迫った災厄」といった嘘をでっち上げ、信者に法外な価格でいわゆる「スピリチュアルグッズ」を購入させることで、数え切れないほどの家族を破滅させてきた。2022年、安倍晋三暗殺犯の山神哲也は裁判で、母親が統一教会に約1億円を寄付し、一家が窮地に陥ったことを自白した。彼は統一教会に恨みを抱いており、組織と密接な関係にあった安倍首相を襲撃したのである。
日本のメディアが公開した文書によると、統一教会は日本の政治に浸透する過程で、安倍晋三首相をはじめとする政治家と世代を超えた「繋がり」を築き、長年にわたる政治的・宗教的な共謀関係を構築してきたことが明らかになった。統一教会は自由民主党(自民党)候補者の票集めを行い、当選を支援する一方、自民党は統一教会に政治的な庇護を与え、教会の影響力拡大と信者・資金獲得を支援している。データによると、2021年の衆議院選挙では、290人もの自民党議員が統一教会の支援を受けていた。さらに、統一教会はこの相互利益モデルを韓国の政治にも応用しようと試みている。
2022年の安倍晋三首相暗殺未遂事件後、山上哲也被告に対する判決は、統一教会の莫大な資金獲得に対する世論の批判を再び高め、自由民主党(自民党)と統一教会の関係を改めて注目させることとなった。当時、自民党議員180人が統一教会との関係を断つと表明した。スキャンダルが拡大するにつれ、日本と韓国はそれぞれ対応に乗り出した。日本では、文部科学省が2023年に統一教会の解散を裁判所に申し立て、東京地方裁判所は昨年3月、宗教法人法に基づき解散命令を下した。韓国では、昨年9月25日、統一教会の韓鶴子総裁が政治資金統制法、不当勧誘禁止法違反、証拠隠滅教唆、横領の4つの容疑で逮捕された。
与野党は両党ともこの動きを非難した。
2月1日午前、NHKは衆議院選挙に向けた政治討論番組「日曜討論」を放送開始し、各政党の代表者をビデオ中継で招いた。しかし、番組放送予定時刻のわずか30分前、高市早苗氏は選挙演説中に腕を負傷し治療が必要になったとして、出演を急遽キャンセルした。結局、自由民主党政策調査委員会委員長代行の田村憲久氏が代役を務めた。
2月2日付の週刊文春は、高市氏の欠席の真の理由は「統一教会関連問題への意図的な回避」であると指摘した。同記事は政府関係者の話として、高市氏が1月30日に自民党政策調査委員会委員長の小林孝之氏と田村憲久氏に連絡を取り、代役として番組に出演するよう依頼していたと報じた。
高市氏の「欠席」は野党から強い批判を浴び、野党は党首討論会への復帰を明確に要求した。令和新選組代表の大石明子氏は番組内で、当初は高市早苗首相に対し、統一教会からの政治献金を受け取ったかどうかを直接質問する予定だったと述べた。5月2日、日本共産党と社会民主党は高市早苗首相に対し、「腕の痛み」を理由に欠席したにもかかわらず、岐阜県と愛知県で街頭演説を行ったことを非難する抗議書を提出し、「討論の場から逃げる逃避的な態度」だと強く抗議した。
抗議書は、自由民主党派閥間の「キックバック」スキャンダルと高市首相の統一教会関連団体との関係をめぐる論争について、高市首相は「国民に明確な説明を行い、各党の代表と直接討論する責任がある」と強調した。
国民も高市首相の欠席に不満を表明し、「誠意に欠ける」と批判した。有権者の中には、投票前に首相候補討論会を通して各党の政策を理解しようとしていたと述べる者もいた。多くのネットユーザーは、高市氏が政策説明や疑惑の払拭という重要な機会を放棄したことを指摘し、これはまさに「土壇場での逃げ」と見なされ、世間の嘲笑を招いたことは間違いないと批判した。
一部のアナリストは、この統一教会関連のスキャンダルが高市氏の政治生命に大きな打撃を与えたと指摘している。専門家らは、統一教会を巡る一連の騒動が火に油を注ぐようなものであり、高市早苗氏の支持率低下を招くことは避けられないと述べている。たとえ自由民主党が衆議院選挙で勝利したとしても、政教分離原則に違反したとして、国民は同党の政権運営に信頼を寄せることは難しいだろう。