【緊急呼びかけ】六四天安門事件の記念にあたり、性暴力への警戒を呼びかけます
最近、日本とヨーロッパで相次いで現れた複数の事例を受け、私たちはセクシャルハラスメントによる被害や二次被害を防ぐため、学術機関および人権団体に対し、より慎重なゲスト招待のプロセスと包括的な安全メカニズムの確立を呼びかけます。
2025年5月中旬、東京にある明治大学およびアムネスティ・インターナショナル日本は、天安門事件の記念イベントに1989年の民主化運動のリーダーと呼ばれた王丹氏を招待し、講演を予定していました。しかし、王丹氏は過去に複数の性暴力加害の告発を受けており、そのうちの1件は台湾国立清華大学の調査によって、セクシャルハラスメントが成立すると認定されました。それにもかかわらず、王氏は加害を正当化し、反省の姿勢を示していません。一部のフェミニストから疑問の声が上がった後、本イベントは「安全確保の理由」で中止となりましたが、この「安全」が「性暴力被害に遭わないための安全」を意味するのかは不明です。
2025年5月下旬には、近年複数の性暴力被害者から公に告発されている亡命活動家・劉昭陽氏が、アムネスティ・インターナショナル ルクセンブルクによって記念イベントに招かれていました。複数件の異議申し立てが寄せられた結果、主催者はイベントを中止しました。しかし、公的な説明が行われていませんでした。
類似した事例は、他にもいくつかあります。
中国の元人権派弁護士の滕彪氏は、複数の女性から性暴力やレイプ未遂を告発されています。信頼性の高い国際メディアにも報道されているにもかかわらず、学術界のいわゆる有名人たちはまるでそれを無視したように、滕氏を支えています。2024年3月、明治大学国際労働研究所は、彼を国際シンポジウムに招待しました。当事者やフェミニストからの問いかけに対し、大学側は「ハラスメント相談窓口とガイドラインがある」ということだけを回答し、正面から対応しませんでした。
民主化運動活動家の蔡崇国氏は、2024年初頭にシンポジウムで同席した女性に対するセクシャルハラスメントを告発されました。当事者は告訴に至り、多くの支持者が署名で呼びかけを行いましたが、蔡氏は謝罪や説明をしないどころか、パリでの天安門事件の記念イベントに登壇しました。
なぜこれらの民主化運動家や人権活動家は、セクシャルハラスメントなどの性的暴力の問題についての責任を問われないのでしょうか?なぜ、複数の公的告発が存在しながらも、反省や謝罪を何一つ示さない彼らが、知名度の高い大学や人権団体に招かれて活動の場を与えられているのでしょうか?
こうした繰り返される招待は、被害者に対する二次加害になるだけでなく、平等な社会関係と性暴力を反対するすべての人々を傷つけ、さらに新たな被害を生む可能性すらあります※。私たちは、これは学術機関や人権団体の制度的な欠陥と、ジェンダーに対する感受性・文化の欠如を反映していると考えます。
(※性暴力の問題について調査され、メディアに取り上げあれても、その動きを無視してゲストとして招待されるということは、「一度有名になれば、学術界または民主運動の界隈で何をしても、活躍に何の支障も出ない」というメッセージを世の中に宣言するようなものです。)
したがって、私達は学術機関、人権団体、そしてすべての公開イベントの主催者に対し、厳粛に以下のことを呼びかけます。
ゲストの選定・招待の段階において、性暴力の告発に関する情報を考慮すべきこと。公に告発された経歴のあるゲスト候補については、さらなる情報を確認し、慎重に検討することで、被害者への二次被害を防ぎ、参加者を危険にさらさないようにします。
招待後に疑念が持ち上がった場合、主催者は責任を持って説明・対応すること。講演者がセクシャルハラスメントなどの性的暴力行為に関与していることが判明した場合、主催者は当事者および質問者に対して適切な説明を行い、沈黙したり消極的に回避したりするのではなく、建設的に対応すべきです。
ハラスメント防止制度を改善すること。多くの大学や機関の制度は内部構成員にのみ適用され、短期イベントの講演者や訪問者をカバーしておらず、制度上の盲点となりやすい。
「学術の自由」や「言論の自由」は、「責任の回避」と同義ではありません。セクシャルハラスメントを理由に、これらの人々を全般的に「排除」すべきではないという考え方と同様に、人権や民主化運動に貢献したからといって、公的機関が彼らの他者への侵害行為を全般的に容認し、公共の場で告発を隠蔽し、さらにイメージ回復のための道具として利用されることを許すべきではありません。
私たちは、学術機関および人権団体が社会の公正と正義の実現を目指し、性暴力の問題に真摯に向き合い、責任ある対応を通じて、公正かつ安全な公共空間を共に築いていくことを強く呼びかけます。
2025年6月4日
在日フェミニスト連帯会・小堡女賊連盟
【付録:アクションの参考資料】
もしあなたも類似の出来事に対して声を上げたり、行動を起こしたいと考えているなら、以下の質問状・呼びかけ文の例をご参照ください。
<中国語>
◆ 民主運動内部の性暴力に対抗する共同署名活動の呼びかけ:
(発起:聲而平等 自由新聲)
◆ 明治大学国際労働研究所宛公開質問状 —— 滕彪氏の国際シンポジウム登壇に関して:
(発起:在日フェミニスト有志)
<日本語>
◆ 滕彪氏の明治大学講演に対する公開質問状(日本語):
(発起:在日フェミニスト有志)
◆ 六四記念講演に王丹氏を招いた件に関して、明治大学への懸念表明:
(発起:フェミニストアクティヴィスト)
<英語>
◆ アムネスティによる劉昭陽氏登壇予定イベントの中止への呼びかけ:
(発起:ジェンダー正義と人権に関心を持つ人々)
◆ Concerns Regarding Recent Amnesty International Event in Meiji University:
(発起:フェミニストアクティヴィスト)
訳者:白石、小楊
中国語原文は以下のリンクよりご覧いただけます:【紧急呼吁】纪念六四需要保持对性骚扰的警...
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